肘部神経障害


2020/6/8

肘部神経障害

肘部神経症候群

 

肘関節のそばを通る神経は、正中神経橈骨神経尺骨神経の三種類の神経が通っており障害されることにより起こるトラブルがそれぞれ異なります。

 

正中神経障害

円回内筋症候群を起こすと、肘関節前面で円回内筋両頭間、あるいは浅指屈筋起始部の腱性アーチなどで正中神経が絞扼され発生します。

発生機序

仕事やスポーツ活動などによる前腕の回内・回外、肘の屈伸などの前腕屈筋の使い過ぎによって発生します。

症状

前腕掌側の鈍痛、正中神経領域のシビレ、筋力低下、つまみ動作が不自由にとなり、円回内筋中枢縁に圧痛があり、チネル徴候がみられます。

 

また、前骨幹神経麻痺と呼ばれるものがあります。

前骨幹神経は正中神経本幹から分枝する運動神経で、円回内筋症候群と同様、円回内筋、浅指屈筋起始部腱性アーチなどの絞扼により発生します。

症状

前骨幹神経は純運動神経であり感覚障害はありません。

方形回内筋、長母指屈筋、第2、3指の深指屈筋を支配し、これらの筋肉に麻痺がおこり、第1指IP関節と第2DIP関節の屈曲が不能となる特有のつまみ動作障害が出現します。

 

橈骨神経麻痺

橈骨神経麻痺のなかでも後骨幹神経麻痺とゆうものがあります。

橈骨神経は、上腕骨外側上顆部で浅枝(感覚枝)と深枝(運動枝)に分岐し、この深枝を後骨幹神経といいます。後骨間神経は短橈側手根伸筋、次いで回外筋で運動枝を送り、回外筋浅頭の腱弓(フローゼのアーケード)を通り、前腕伸側に向かいます。この腱弓部が絞扼部位となります。

発生機序

モンテギア骨折、ハンドル回しなどの前腕の使い過ぎやガングリオン、脂肪種などによる圧迫が原因となります。

症状

手関節伸展力は低下するが、長橈側手根伸筋は麻痺から免れるため、橈屈しながらの伸展は可能となります。しかし、MP関節伸展が不可能となり、下垂指を呈し、通常は感覚障害がありません。

 

尺骨神経障害

尺骨神経障害のなかに肘部管症候群と呼ばれるものがあり、尺骨神経は、上腕骨内側上顆背側にある尺骨神経構を通って尺側手根屈筋の二つの起始の間を通り掌側へと向かいます。この尺骨神経構から尺側手根屈筋への入り口までの区間を肘部管といい、この部分で絞扼が生じることによって発症します。

発生機序

骨折後の成長障害による外反肘、変形性関節症に伴うものが大部分であるが、上腕骨滑車形成不全、内反肘変形、また尺骨神経の尺骨神経構からの脱臼、長時間の肘関節屈曲位の継続、ガングリオンや骨棘などによる圧迫により発生します。

症状

手背を含む手指尺側の尺骨神経支配領域のシビレ感と肘部内側の疼痛があり、尺側手根屈筋、第4,5指深指屈筋、尺骨神経支配の手内在筋が萎縮するためピンチ力が低下し、鷲手変形やフローマン徴候が出現します。ボタンがかけにくい、箸が使いにくいなどの巧緻機能障害を起こします。また、尺骨神経は肘部管部で固く腫大することが多くあります。

 

治療

それぞれ、保存療法を主として、患部の安静を行い、患部周囲の筋の緊張をマッサージやストレッチ、温熱療法により緩和させ、症状改善を図ります。

改善が見られない場合は観血療法が必要となります。

 




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